エアアジアは世界的に評価の高いLCC航空会社として知られており、スカイトラックス社の「ワールド・エアライン・アワード」で14年連続してベストLCC賞を受賞しています。一方で、LCCということもあり座席の快適性については賛否両論あり、事前の情報収集と適切な座席選びが重要になってきます。
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エアアジアの座席は、スタンダードシート、ホットシート、クワイエットゾーン、プレミアムフラットベッドの4種類が用意されています。座席指定料金は場所や予約タイミングによって2,000円から7,000円程度。機材によって座席の広さや快適性が異なるため、フライト時間や予算に応じた賢い選び方が求められます。
記事のポイント!
- エアアジアの座席タイプと料金の詳細
- 座席指定なしの場合の対処法とリスク
- 長距離フライトでの快適な座席選び
- 予算を抑えながら快適に過ごすコツ
エアアジアの座席選びでおすすめの選択肢とは
- 最前列と非常口付近のホットシートが快適性で最もおすすめ
- スタンダードシートは窓側か通路側を選択するのがベスト
- クワイエットゾーンは静かな空間で快適な旅を実現
- プレミアムフラットベッドは長距離フライトで価値あり
- 座席指定料金は2,000円から7,000円程度で設定
- 事前予約で座席指定料金を抑えることが可能
最前列と非常口付近のホットシートが快適性で最もおすすめ
エアアジアのホットシートは、航空機の前方の非常口付近に位置しており、一般席と比べて格段に広い足元スペースが確保されています。前の座席からの距離は約73cm、座席幅は約40~43cmとなっています。
特に1列目、12列目、14列目のホットシートは、足元に約53cmの余裕があり、一般席の約1.5倍以上の広さを確保しています。これらの座席では、快適に足を伸ばすことができ、長時間のフライトでも体の負担が少なくなります。
ただし、12列目は非常口の関係でリクライニングができないため、長時間フライトの場合は1列目か14列目を選ぶことをおすすめします。また、ホットシートの利用者には優先搭乗の特典も付いており、ゆとりを持って搭乗することができます。
座席料金は一般席と比べて割高で、約6,000円程度かかりますが、長時間フライトの場合は投資する価値が十分にあります。特に羽田-クアラルンプール便などの長距離路線では、快適性を重視する観点から選択する価値があるでしょう。
なお、非常口席の場合は、緊急時にCAのサポートをする必要がありますが、実際にそのような事態になることは極めて稀です。快適性を重視するなら、非常口付近の席を積極的に検討してみましょう。
スタンダードシートは窓側か通路側を選択するのがベスト
スタンダードシートは、前の座席からの距離が約70cm、座席幅は約40~43cmとなっています。一般的なLCCの座席としては標準的な広さですが、長時間のフライトではやや窮屈に感じる可能性があります。
座席指定をする場合は、窓側か通路側を選ぶことをおすすめします。中央席は両隣に他の乗客が座る可能性が高く、特に長時間フライトでは窮屈さを感じやすくなります。また、前の人がリクライニングをした場合、テーブルの使用が制限される可能性もあります。
後方の2列シートエリアは、3列シートと比べて出入りがしやすく、通路を挟んだ横の席との距離も広めに感じられます。特に通路側を選択すると、比較的快適に過ごすことができます。
座席指定料金は約2,000円程度からで、バリューパックを利用すると機内食とセットでお得に座席指定ができます。2時間以上のフライトの場合は、座席指定をすることで快適性が大きく向上します。
一般席でも窓側や通路側、そして後方の2列シートエリアを選ぶことで、比較的快適に過ごすことができます。予算を抑えながらも快適性を確保したい場合の選択肢として検討してみましょう。
クワイエットゾーンは静かな空間で快適な旅を実現
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クワイエットゾーンは機体前方に設置された特別なエリアで、ノイズを最小限に抑えた静かな空間となっています。10歳未満のお子様は利用できないため、比較的落ち着いた雰囲気で過ごすことができます。
座席スペースはスタンダードシートと同様で、前の座席からの距離が約73cm、座席幅は約40~43cmです。一部の座席には電源も完備されており、長時間フライトでデバイスを使用する際に便利です。
特に最前列は、他の席と比べて前方スペースが広く取られており、真ん中のブロックは左右のブロックよりも1.5倍ほど前方空間が広くなっています。静かな環境と広めの空間を求める方には、この最前列がおすすめです。
料金はスタンダードシートより高めですが、クワイエットゾーン内でもスタンダードシートとホットシートの選択が可能です。機内で集中して作業をしたい方や、ゆっくりと休息を取りたい方に適しています。
なお、一部の席では特別照明が設置されており、また機内食の提供も比較的早く行われます。快適な空間で旅を楽しみたい方には、追加投資の価値がある選択肢といえるでしょう。
プレミアムフラットベッドは長距離フライトで価値あり
プレミアムフラットベッドは、エアアジアが提供する最高グレードの座席で、前の座席からの距離が約149cm、幅は約48cmと広々としたスペースを確保しています。座席はほぼフラットな状態まで倒すことができ、長時間フライトでも快適な睡眠をとることができます。
この座席を選択すると、40kgまでの受託手荷物、機内食、優先搭乗、専用チェックインカウンター、優先手荷物受け取りなど、多くの特典が付帯します。また、ふかふかの枕と肌触りの良いキルトブランケットも提供されます。
料金は通常運賃の倍以上になることもありますが、長距離フライトでの快適性を重視する場合は検討する価値があります。特に深夜便での利用は、到着後の体調管理の面でもメリットがあります。
搭乗60日前からプレミアムフラットベッドへのアップグレードに入札することができ、運が良ければ通常より安い価格で利用できる可能性もあります。また、空港チェックインカウンターでも空席があれば、アップグレードのオファーを受けられることがあります。
プレミアムフラットベッドは、12席限定となっており、予約が早い段階で埋まってしまうこともあります。利用を検討している場合は、早めの予約をおすすめします。
座席指定料金は2,000円から7,000円程度で設定
エアアジアの座席指定料金は、座席の位置や予約のタイミングによって異なります。最もベーシックなスタンダードシートで約2,000円、人気の高いホットシートは約6,000円から7,000円程度となっています。
料金は予約時期によって変動し、航空券予約時に座席指定すると最も安く、チェックイン前の指定では若干の手数料が上乗せされます。また、日本発着便の場合は日本円で表示されますが、現地発着便はその国の通貨で表示される点に注意が必要です。
予約時のバリューパックを利用すると、スタンダードシート内での座席指定が無料になり、さらに機内食も付いてきます。また、プレミアムフレックスを選択すると、クワイエットゾーンやホットシートまで指定可能になります。
座席指定料金は、同じ便でも窓側、通路側、中央席による価格差はありません。ただし、後方の座席は前方と比べてやや安く設定されている傾向があります。
長距離フライトでは座席の快適性が重要になるため、予算と相談しながら、自分に合った座席タイプを選択することをおすすめします。
事前予約で座席指定料金を抑えることが可能
座席指定の料金を抑えるためには、航空券予約時に同時に座席を指定することがベストです。予約後に指定する場合は手数料が追加され、空港カウンターでの指定はさらに高額になります。
バリューパックを利用すると、座席指定だけでなく機内食や手荷物も含めたパッケージとなり、総合的にみるとコストパフォーマンスが良くなります。ただし、バリューパックは予約時のみの購入となるため、事前に検討が必要です。
プレミアムフレックスを選択すると、より上位グレードの座席まで指定可能になり、さらに予約変更も2回まで無料となります。長距離フライトや予定変更の可能性がある場合は、検討する価値があります。
定期的に行われるセールを利用すると、より安価に座席指定ができる可能性があります。特に、プロモーション期間中は通常より大幅に安い料金で座席を確保できることがあります。
なお、一度支払った座席指定料金は、座席変更や予約変更の際に返金されないため、慎重に選択する必要があります。
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エアアジアの座席に関する重要な知識とポイント
- 座席指定なしの場合は早めのウェブチェックインがカギ
- 2列シート後方席は隣が空く可能性が比較的高い
- バリューパックは座席指定と機内食がセットでお得
- 座席の快適性は機材タイプによって大きく異なる
- プレミアムフレックスは座席指定含む特典が充実
- エアアジアXは長距離便でより快適な座席を提供
- まとめ:エアアジアの座席はコスパと快適性のバランスが重要
座席指定なしの場合は早めのウェブチェックインがカギ
エアアジアのウェブチェックインは出発14日前から1時間前まで可能です。座席指定をしていない場合、チェックイン時点で自動的に座席が割り当てられます。
早めにウェブチェックインを行うことで、比較的良い座席を確保できる可能性が高まります。座席が気に入らない場合は、その後で有料の座席指定に変更することも可能です。
特に注目したいのは、エアアジアのウェブチェックインシステムでは、チェックインの前に自動割り当ての座席を確認できる点です。気に入らない場合は、一旦チェックインを中止して、後で再度試すことができます。
手荷物の預け入れは出発1時間前に締め切られるため、ウェブチェックインを済ませていても、荷物がある場合は余裕を持って空港に到着する必要があります。
日本の空港では電子搭乗券が使えないため、予約番号が確認できる書類を持参してチェックインカウンターで手続きを行う必要があります。
2列シート後方席は隣が空く可能性が比較的高い
エアバスA330タイプの機材後方には、2列シートが配置されています。これは通常の3列シートと比べて、乗客の出入りがスムーズで、通路を挟んだ横の席との距離も広く感じられます。
搭乗率が高くない場合、2列シートエリアは比較的空席になりやすい傾向があります。これは多くの乗客が前方の座席を好む傾向があるためと考えられます。
ただし、到着後の降機は後方からとなるため、5-10分程度の時間差が生じます。急いでいない場合は、快適性を重視して後方の2列シートを選択するのも一つの戦略です。
後方の座席は前方と比べて料金が若干安く設定されている場合もあります。予算を抑えながら比較的快適な座席を確保したい場合の選択肢となります。
なお、エンジン音が気になる可能性もありますが、最近の機材は比較的静かになっているため、大きな問題にはならないことが多いようです。
バリューパックは座席指定と機内食がセットでお得
バリューパックは航空券予約時にのみ購入できるパッケージで、座席指定(スタンダートシート)、20kgまでの受託手荷物、機内食1食が含まれています。
個別に購入するよりも総合的に安く、特に長距離フライトでは検討する価値があります。ただし、このオプションは後から追加することができないため、予約時に慎重に検討する必要があります。
機内食は搭乗の24時間前までに予約が必要で、当日購入できるのは簡単なスナック類のみとなります。バリューパックには機内食が含まれているため、この点でも安心です。
座席に関しては、スタンダードシート内であれば自由に選択可能です。ホットシートやクワイエットゾーンを希望する場合は、別途追加料金が必要になります。
予約変更や払い戻しに関する条件は通常の航空券と同じため、注意が必要です。
座席の快適性は機材タイプによって大きく異なる
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エアアジアでは主にエアバスA320シリーズとA330の2種類の機材が使用されています。A320は近距離路線向けで3-3の座席配列、A330は中長距離路線向けで3-3-3の座席配列となっています。
A320シリーズの場合、スタンダードシートの座席ピッチ(前の座席との間隔)は約70cm、座席幅は約40~43cmです。一方、A330ではスタンダードシートでも座席ピッチが約78cm以上確保されています。
特にA330では、前方にプレミアムフラットベッド席が12席設置されており、また後方には2列シートエリアも用意されています。長距離フライトの場合は、これらの座席タイプを考慮に入れた選択が重要です。
機材によって非常口の位置や設備も異なるため、座席を選択する際は必ず座席表で確認することをおすすめします。例えば、一部の機材では特定の座席でリクライニングができない場合があります。
また、A330では一部の座席に電源コンセントが装備されているなど、機材によって利用可能な設備も異なってきます。
プレミアムフレックスは座席指定含む特典が充実
プレミアムフレックスは、通常運賃に追加料金を支払うことで利用できるサービスパッケージです。クワイエットゾーンやホットシートまでの座席指定が無料で、機内食や20kgまでの受託手荷物も含まれています。
最大の特徴は、フライトの変更が2回まで無料で可能な点です。また、優先チェックイン、優先搭乗、優先手荷物受け取りなどの特典も付帯します。
通常の座席指定料金とその他のサービスを個別に購入する場合と比較すると、トータルでお得になる可能性が高いです。特に、予定変更の可能性がある場合は検討する価値があります。
チェックインは専用カウンターを利用できるため、混雑時でもスムーズに手続きが可能です。また、エアアジアポイントの付与率も通常より高く設定されています。
ただし、プレミアムフラットベッドへのアップグレードは含まれていないため、フルフラット席を希望する場合は別途料金が必要になります。
エアアジアXは長距離便でより快適な座席を提供
エアアジアXは長距離国際線に特化した航空会社で、エアバスA330を主力機材として使用しています。一般的なエアアジア便と比べて、座席の快適性が向上しています。
座席はより広めに設計されており、スタンダードシートでも座席ピッチが約78cm以上確保されています。また、プレミアムフラットベッド席は約149cmの座席ピッチと約48cmの座席幅を誇り、ほぼフラットな状態まで倒すことが可能です。
日本からの長距離便では、羽田-クアラルンプール線や関空-クアラルンプール線などで運航されています。5時間以上のフライトとなるため、座席の快適性が重要な要素となります。
プレミアムフラットベッドは通常運賃の倍以上する場合もありますが、搭乗60日前からアップグレード入札に参加することで、比較的リーズナブルな価格で利用できる可能性もあります。
また、機内エンターテインメント(X-cite)やノイズキャンセリングヘッドホンなど、長距離便ならではの設備も用意されています。
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まとめ:エアアジアの座席はコスパと快適性のバランスが重要
最後に記事のポイントをまとめます。
- 座席指定料金は座席タイプと予約時期で変動し、2,000円から7,000円程度
- ホットシートは足元が広く、特に1列目と14列目がおすすめ
- クワイエットゾーンは10歳未満の子供の利用制限があり、静かな空間を提供
- プレミアムフラットベッドは長距離便で最も快適な選択肢
- 座席指定なしの場合は早めのウェブチェックインが重要
- バリューパックは座席指定と機内食がセットでコスパが良好
- 後方の2列シートは比較的空席になりやすい傾向
- 機材タイプによって座席の快適性が大きく異なる
- プレミアムフレックスは座席指定を含む多くの特典を提供
- エアアジアXの長距離便は一般便より快適な座席を提供
- 座席指定料金は予約時が最安値で、後から指定すると割高
- 非常口席は足元が広いが、12列目はリクライニング不可