エアアジアは「世界で最も安全なローコスト航空会社」の一つに選ばれるなど、実績と安全性を持つアジア最大のLCC(格安航空会社)です。しかし、ネット上では「評判が最悪」という声も目立ちます。遅延や欠航、カスタマーサポートの質に対する不満など、さまざまな批判の声が聞かれます。
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このギャップの真相を探るため、実際の定時運航データや安全性評価、利用者の声を徹底的に調査しました。その結果、エアアジアの定時到着率は70-90%台、欠航率は0.0-0.2%とJALやANAよりも低いなど、意外な事実が見えてきました。
記事のポイント!
- エアアジアの実際の定時運航実績と安全性評価について
- サービスや座席、機内食など具体的な利用時の注意点
- カスタマーサポートや返金対応における課題と対策
- 快適に利用するためのプレミアムシートやセール活用法
エアアジアは評判が最悪だと言われる理由
- 遅延は確かにあるが定時到着率は70-90%台をキープ
- 欠航率は0.0-0.2%でJAL・ANAより低い実績
- 機内は寒く座席も狭いがLCCの特徴として理解が必要
- カスタマーサポートの対応は改善の余地あり
- キャンセル時の返金対応は要注意
- 安全性は国際的な評価機関で高評価を獲得
遅延は確かにあるが定時到着率は70-90%台をキープ
2023年3月の統計データを見ると、エアアジアグループの定時到着率は路線によって大きく異なります。最も高いのがエアアジアXの92.6%で、これはJALの85.8%やANAの86.8%を上回る数字です。
タイエアアジアXも89.5%と高い定時到着率を記録しており、特に福岡-バンコク路線を運航するタイエアアジアは92.3%という安定した数字を維持しています。
一方で、エアアジア本体の定時到着率は77.4%、インドネシアエアアジアは78.4%と、やや低めの数字となっています。これは混雑する空港での発着や天候の影響を受けやすい路線があることが要因と考えられます。
エアアジアインディアは70.7%と最も低い定時到着率となっていますが、これはインドの空港の混雑状況が影響している可能性があります。
遅延が発生する主な理由は、天候、機材故障、機材繰り(使用する航空機が到着しない)などで、当日になって遅延が判明することが多いようです。
欠航率は0.0-0.2%でJAL・ANAより低い実績
エアアジアグループの欠航率は驚くほど低い数字を記録しています。2023年3月の統計では、ほとんどの路線で欠航率0.0%を達成しており、最も高いエアアジア本体でも0.2%に留まっています。
これはJALの欠航率0.4%、ANAの欠航率0.7%と比較しても、より良い実績となっています。
欠航の理由は主に天候や機材トラブルによるもので、当日になって判明することが多い傾向にあります。
利用客が少なく採算が合わないという理由による欠航もありますが、この場合は前もって連絡があるため、欠航率の統計には含まれていません。
これらの数字から見ると、LCCは欠航が多いというイメージは、少なくともエアアジアに関しては当てはまらないことがわかります。
機内は寒く座席も狭いがLCCの特徴として理解が必要
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エアアジアの座席は、国際線エコノミークラスの標準と比べると確かに狭めです。シートピッチ(前後の間隔)は70cm、シート幅は40-43cmで、JALの84-86cmピッチ、45-48cmの幅と比べると、かなりの差があります。
通路幅も狭く設計されているため、他の乗客や乗務員が通る際に接触することもあります。特にトイレ付近の座席では、頻繁な人の往来で安眠が妨げられる可能性があります。
機内の温度設定も低めで、多くの利用者が寒さを指摘しています。ブランケットは有料(約300円)で貸し出されますが、数に限りがあり、到着1時間前には返却が必要です。
また、快適性を求める場合は、ネックピロー、アイマスク、ブランケットがセットになったコンフォートキットが1500円程度で販売されています。
これらの制約は、運賃を低く抑えるためのLCCビジネスモデルの一環として理解する必要があります。長距離フライトでは特に影響が大きいため、上着の持参や座席の選択には注意が必要です。
カスタマーサポートの対応は改善の余地あり
エアアジアのカスタマーサポートは、主にチャットボットやソーシャルメディアを通じて提供されています。電話での直接対応は限られており、問題解決に時間がかかるケースが報告されています。
特に遅延や欠航時の対応については、補償が限定的で、代替便への振替や払い戻し以外の補償はほとんどありません。これは多くのLCCに共通する特徴ですが、長時間の遅延時には不便を感じる可能性があります。
メールでの問い合わせにも時間がかかることが多く、返信を得るまでに数カ月かかるケースもあるようです。チャットボットのAsk Boも、必ずしも満足な回答を得られないことがあります。
このような状況に備えて、重要な予定がある場合は余裕を持ったスケジュール設定が推奨されます。また、航空機遅延費用をカバーする旅行保険への加入も検討に値します。
サポート体制の改善は継続的な課題として認識されており、AIを活用したカスタマーサービスの強化などの取り組みが進められているとのことです。
キャンセル時の返金対応は要注意
エアアジアでは、基本的に全ての運賃タイプにおいて払い戻しを受け付けていません。キャンセルした場合、空港利用税以外の返金は基本的にありません。
キャンセル時には、以下の3つの選択肢が提供されています:
- 同一ルートの別の日付へのフライト変更(無料)
- エアアジアのクレジットアカウントへの返金(2年間有効)
- 支払い方法への返金
特に返金を選択した場合、手続きに非常に時間がかかることが報告されています。サポートへのメール連絡も即座の返信は期待できず、解決までに数カ月を要することもあります。
しかし、エアアジア側の都合によるキャンセルの場合は、無料での便変更や返金が可能です。ただし、この場合でも手続きには時間がかかる可能性があります。
安全性は国際的な評価機関で高評価を獲得
2024年1月、エアアジアグループは、航空安全評価機関AirlineRatings.comにより「世界で最も安全なローコスト航空会社」の一つに選出されました。この評価は、385社の航空会社から選ばれたものです。
安全性の評価基準には、事故記録、機体年齢、国際民間航空機関(ICAO)による監査結果などが含まれています。エアアジアグループは、国際航空運送協会(IATA)の運航安全監査(IOSA)の認証も取得しています。
エアアジアグループのCEOボー・リンガム氏によると、グループは常に最高の安全基準を維持するために、安全管理システムとトレーニングに多額の投資を継続しているとのことです。
さらに、AirlineRatings.comの編集長ジェフリー・トーマス氏は、エアアジアグループの安全への取り組みを高く評価し、主要な安全監査に長年合格し続けていることを指摘しています。
このような第三者機関による客観的な評価は、エアアジアの安全性に対する不安を払拭する重要な要素となっています。
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エアアジアの評判が最悪と言われても利用する価値はある
- 格安料金を実現できる3つの理由
- 事前準備で快適に過ごすための5つのポイント
- 機内食は事前予約がおすすめな理由
- プレミアムシートで快適な空の旅を実現できる
- 国際安全基準をクリアした安全性の高さ
- セールを活用して賢く予約する方法
- まとめ:エアアジアの評判が最悪と言われる理由と対策方法
格安料金を実現できる3つの理由
エアアジアは効率的な機材運用を徹底することで、低コストを実現しています。同型機(エアバスA320シリーズ)を多く保有することで、整備や運航コストを削減しています。
販売方法も合理化されており、利用者自身がオンラインで予約から支払いまでを行うシステムを採用。これにより人件費を抑制し、運賃の低価格化を実現しています。
機内サービスは基本的に全て有料制を採用。機内食、ブランケット、座席指定など、必要なサービスを選択して支払う仕組みにより、基本運賃を低く抑えています。
空港での駐機時間も最小限に抑え、効率的な運航を行っています。そのため、搭乗手続きの締め切り時間が早めに設定されているのが特徴です。
また、空港では比較的利便性の低い場所にカウンターやゲートを設置することで、空港使用料を抑えています。これらの総合的なコスト削減戦略により、格安運賃を実現しているのです。
事前準備で快適に過ごすための5つのポイント
エアアジアでは、出発の14日前からオンラインチェックインが可能です。空港でのチェックインは混雑することが多いため、事前のオンラインチェックインがおすすめです。
手荷物は機内持ち込み7kgまでが無料です。それ以上の荷物は事前に予約することで、空港での支払いよりも安価な料金で預けることができます。
機内は寒くなる傾向があるため、上着やブランケットの持参が推奨されます。また、長時間のフライトではエンターテイメントが限られているため、スマートフォンなどに動画をダウンロードしておくと便利です。
重要な予定がある場合は、遅延に備えて余裕を持ったスケジュール設定が重要です。また、航空機遅延費用をカバーする旅行保険への加入も検討に値します。
長距離便の場合は、プレミアムフラットベッドやホットシートなどの快適な座席オプションも用意されています。予算と相談しながら、快適性を重視した選択も可能です。
機内食は事前予約がおすすめな理由
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エアアジアの機内食は、タイ料理をはじめとする多国籍料理が楽しめることで知られています。価格は250バーツ(約1000円)程度と、比較的リーズナブルな設定となっています。
メニューには、パネーン、パッタイ、グリーンカレーなどのタイ料理から、マレーシアのナシレマ、ナポリ風トリュフピザ、和風の焼き鯖まで、国際色豊かな料理が用意されています。
ヴィーガン対応メニューも提供されており、食事制限のある方でも安心して利用できます。ただし、搭乗後の注文は数に限りがあり、また現金のみの対応となります。
事前予約することで、希望のメニューを確実に確保できるほか、当日購入よりも安価な料金で食事を楽しむことができます。
おつりはバーツでの返金となるため、事前予約をしておくと余計な現地通貨を持ち帰る必要がありません。
プレミアムシートで快適な空の旅を実現できる
エアアジアには4種類の座席オプションがあります。最上級のプレミアムフラットベッドは、前後間隔149cm、座席幅48cmで、リクライニング可能な快適な空間を提供します。
クワイエットゾーンは、10歳以上限定の静かな空間で、特別照明や優先的な機内食提供などの特典があります。
ホットシートは、最前列に配置された足元44.45cm以上の広々とした座席で、優先搭乗の特典付きです。料金は通常席より高めですが、快適性を重視する方におすすめです。
スタンダードシートは一般的なエコノミー席で、座席間隔78cm以上、座席幅40cm以上となっています。革素材を使用し、LCCながら一定の快適性を確保しています。
座席指定は有料ですが、長時間のフライトでは快適性を考慮した選択をおすすめします。
国際安全基準をクリアした安全性の高さ
エアアジアグループは2024年1月、航空安全評価機関AirlineRatings.comによって「世界で最も安全なローコスト航空会社」の一つに選出されました。この評価は385社の航空会社の中から選ばれたものです。
安全性の評価には、事故記録、機体年齢、国際民間航空機関(ICAO)による監査結果が含まれています。また、国際航空運送協会(IATA)の運航安全監査(IOSA)の認証も取得しています。
エアアジアグループは、安全管理システム(SMS)とコーポレートガバナンス構造を維持し、また欧州航空安全庁(EASA)のPart-145の許可も取得しています。
AirlineRatings.comの編集長は、エアアジアグループの安全性を高く評価し、ほぼ完璧な実績を示していると述べています。
創業以来約8億人の利用実績があり、安全手順の改良、運航効率の向上、定時運航の実現に継続的に取り組んでいます。
セールを活用して賢く予約する方法
エアアジアでは定期的にセールを実施しています。特に5と0のつく日(5日、10日、15日など)には、ポイントが5倍になるキャンペーンを展開しています。
予約はエアアジアの公式ウェブサイトやスマートフォンアプリ「AirAsia MOVE」から可能です。セールの情報はメールマガジンで配信されるため、アカウント登録時に受信設定をしておくことをおすすめします。
運賃には基本運賃、税金、手数料が含まれます。追加サービス(手荷物、座席指定、機内食など)は必要性を検討し、事前予約することで費用を抑えることができます。
支払い通貨の選択により料金が変動する場合があります。例えば、日本円での支払いとマレーシアリンギットでの支払いでは、為替レートの関係で差が出ることがあります。
また、Fast Passの利用で優先チェックインや優先搭乗が可能になり、混雑時期の空港での待ち時間を短縮できます。
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まとめ:エアアジアの評判が最悪と言われる理由と対策方法
最後に記事のポイントをまとめます。
- 定時到着率は70-90%台で、特にエアアジアXは92.6%と高水準
- 欠航率は0.0-0.2%でJAL・ANAよりも低い実績
- 2024年には「世界で最も安全なローコスト航空会社」の一つに選出
- 機内は寒く座席が狭いが、これはLCCの特徴として理解が必要
- カスタマーサポートの対応に課題があり、改善が期待される
- キャンセル時の返金手続きは時間がかかる傾向
- 事前のオンラインチェックインで空港での待ち時間を短縮可能
- 機内食は事前予約することで確実に希望のメニューを確保可能
- プレミアムシートの利用で快適性を高めることが可能
- セール時期を狙うことで、さらにお得に利用可能
- 国際的な安全基準をクリアし、継続的な安全性向上に取り組む
- 旅行保険の加入で、遅延や欠航のリスクに対応可能