キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退するという噂が広がっています。この背景には、中国国際航空(エアチャイナ)がキャセイパシフィック航空の株式保有数を増加させる交渉を行っているという情報があります。中国国際航空はスターアライアンス加盟航空会社であるため、もし筆頭株主になれば同一アライアンスへの移籍も考えられるというわけです。

JALが所属するワンワールドにとって、キャセイパシフィック航空は創設時からのメンバーであり、アジア地域における重要な航空会社です。もし脱退が現実になれば、JGC会員など上級会員の特典利用や香港経由の旅行に大きな影響が出ることが予想されます。この記事では、噂の真相や脱退の可能性、そして万が一の場合の影響と対策について詳しく解説します。
記事のポイント!
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の可能性とその背景
- 脱退が現実になった場合のJAL利用者やワンワールド上級会員への影響
- キャセイパシフィック航空の経営状況とスターアライアンス移籍の可能性
- ワンワールドの将来性と脱退に備えるべき対策
キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退する可能性について
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の噂は現時点では確定情報ではない
- キャセイパシフィック航空と中国国際航空の資本関係がワンワールド脱退の背景にある可能性
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が現実味を帯びている理由とは
- キャセイパシフィック航空がスターアライアンスに移籍するシナリオの可能性
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の時期についての予測
- 過去のアライアンス移籍事例から考えるキャセイパシフィック航空の状況
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の噂は現時点では確定情報ではない
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退については、現時点では公式に発表された確定情報ではありません。この噂の発端は、Bloombergが関係筋の情報として報じた内容に基づいています。その報道によれば、中国国際航空(エアチャイナ)がキャセイパシフィック航空の株式保有数を増加させることについて協議を行っているというものです。
現在、キャセイパシフィック航空の株式の30%を中国国際航空が保有しており、筆頭株主はスワイヤー・グループとなっています。もし中国国際航空が株式を増やして筆頭株主になれば、経営への影響力が強まり、アライアンスの選択にも影響を与える可能性があります。
しかし、キャセイパシフィック航空は1999年のワンワールド創設メンバーであり、香港を拠点に世界各地に路線を持つ重要な加盟航空会社です。そう簡単に脱退を決断するとは考えにくい面もあります。実際に「キャセイはワンワールドは脱退しません!」という情報も存在します。
この種の噂は過去にも度々浮上しては消えていったという経緯があります。JALのtricoコミュニティでも、「もし、CAが筆頭株主になったとしても、最低でも2年と莫大な費用がかかるので、そうそう簡単にアライアンスは移れない。少なくてもあと3年はないでしょう」という意見も見られます。
したがって、現段階ではあくまで可能性の一つとして捉え、確定的な情報が出るまで冷静に状況を見守ることが重要です。
キャセイパシフィック航空と中国国際航空の資本関係がワンワールド脱退の背景にある可能性
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の可能性を考える上で、中国国際航空との資本関係は無視できない要素です。現在、中国国際航空はキャセイパシフィック航空の株式の30%を保有しており、既に大きな影響力を持っています。
中国国際航空は北京をハブとする中国最大の航空会社であり、スターアライアンスの加盟会社です。一般的に航空会社のグループ内では、同一のアライアンスに所属することが多く、子会社や資本関係の強い航空会社は親会社と同じアライアンスに所属するケースが多いのです。
たとえば、中国国際航空傘下の深圳航空もスターアライアンスに加盟しています。こうした例から考えると、もし中国国際航空がキャセイパシフィック航空の筆頭株主になれば、スターアライアンスへの移籍を促す可能性は十分にあり得ます。
一方で、香港という特別行政区に拠点を置くキャセイパシフィック航空の独立性も考慮する必要があります。香港の市民感情も影響するため、強引な買収や経営方針の転換は難しい面もあるでしょう。
また、こうした協議は非常に慎重に行われているようで、すぐに大きな変化が起こる可能性は低いとの見方もあります。現状では、中国国際航空とキャセイパシフィック航空の資本関係の変化が、将来的なアライアンス移籍の可能性を示唆しているものの、確定的な結論を出すには時期尚早といえるでしょう。
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が現実味を帯びている理由とは
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が現実味を帯びている理由はいくつか考えられます。最も大きな要因は、同社の経営状況です。近年、キャセイパシフィック航空は厳しい経営環境に直面しています。
飛行機の航続距離が延びたことで、かつては重要だった香港という中継地点の価値が相対的に低下しています。以前は航続距離の限界から、アジアと欧米を結ぶ路線では香港などの中継地が不可欠でしたが、現在の航空機技術では多くの都市間を直行便で結ぶことが可能になりました。
また、各国間の航空協定の進展により、直行便が増加し、乗継需要が減少したことも影響しています。さらに、民主化運動の弾圧やコロナ禍の影響で香港への渡航者数も減少したと考えられます。
こうした状況下で、キャセイパシフィック航空は「相当苦しい」経営状況にあり、「太い資金源やスポンサーがいないと成り立たない」状況と推測されています。そのため、中国国際航空による資本提携強化は、経営基盤を安定させるための選択肢として現実味を帯びています。
さらに、中国本土の航空会社との連携を強化することで、巨大な中国市場へのアクセスが容易になるメリットもあります。特に中国国際航空が展開する北京大興国際空港という新たなハブとの連携は、キャセイパシフィック航空にとって魅力的な選択肢となる可能性があります。
ただし、これらはあくまで経営的な観点からの推測であり、実際の意思決定には様々な要素が影響することを忘れてはなりません。
キャセイパシフィック航空がスターアライアンスに移籍するシナリオの可能性

キャセイパシフィック航空がスターアライアンスに移籍するシナリオは、完全に否定できるものではありません。このシナリオが現実になる可能性を検討してみましょう。
まず、中国国際航空がキャセイパシフィック航空の筆頭株主になった場合、経営方針に大きな影響力を持つことになります。中国国際航空はスターアライアンスのメンバーであり、同じアライアンスに所属することで、コードシェア便の拡大やマイレージプログラムの連携強化など、様々なシナジー効果が期待できます。
スターアライアンスは世界最大の航空連合であり、加盟航空会社数や就航都市数でワンワールドを上回っています。スターアライアンスに加盟することで、より広範なネットワークを顧客に提供できるメリットがあります。
また、香港の地理的位置を考えると、北京や上海など中国本土の主要都市と連携することで、アジア域内の路線網を強化できる可能性もあります。特に中国本土からの旅客需要を取り込む戦略は、キャセイパシフィック航空の経営改善に寄与する可能性があります。
ただし、アライアンスの移籍には多額のコストがかかります。システム統合や契約の見直し、マイレージプログラムの調整など、技術的・法的な課題が山積しています。また、ワンワールドの創設メンバーであるキャセイパシフィック航空には、アライアンス内での重要な役割や責任もあるでしょう。
したがって、スターアライアンスへの移籍は理論上は可能でも、実現するには多くの障壁を乗り越える必要があります。そのため、仮に移籍するとしても、長期的な計画に基づく段階的な移行となる可能性が高いと考えられます。
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退の時期についての予測
キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退するとした場合、その時期についてはいくつかの見方があります。JALのtricoコミュニティでは、「最低でも2年と莫大な費用がかかるので、そうそう簡単にアライアンスは移れない。少なくてもあと3年はないでしょう」という意見が出ています。
アライアンスの移籍は、単なる所属変更にとどまらず、システムの統合、マイレージプログラムの調整、コードシェア協定の見直しなど、多岐にわたる業務の変更を必要とします。そのため、短期間で完了することは考えにくいでしょう。
また、現在の協議も「慎重に行われている」と報じられています。これは、すぐに大きな動きがあるわけではなく、じっくりと時間をかけて検討されていることを示唆しています。
さらに、キャセイパシフィック航空はワンワールドの創設メンバーであり、アライアンス内での立場も重要です。簡単に脱退を決断できる状況ではないでしょう。
仮に脱退が決定したとしても、実際の移行までには十分な準備期間が設けられる可能性が高いです。顧客への影響を最小限に抑えるための移行期間や、マイレージなどの特典の継続利用についての経過措置なども検討されるでしょう。
したがって、キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が現実になるとしても、それは数年先の話である可能性が高いと考えられます。この間に状況が変化し、脱退自体が回避される可能性も十分にあります。
過去のアライアンス移籍事例から考えるキャセイパシフィック航空の状況
過去にも航空会社がアライアンスを移籍した事例はいくつか存在します。その中でも参考になるのが、2000年のカナディアン航空のケースです。
カナディアン航空はワンワールドの創設メンバーでしたが、同じカナダのスターアライアンス加盟会社であるエア・カナダに1999年末に吸収合併が発表されました。その後、2000年3月にワンワールドからの離脱を発表し、同年6月には実際に離脱しました。合併発表からわずか半年という短期間での出来事でした。
しかし、カナディアン航空とエア・カナダの事例は、同じカナダを拠点とする完全なライバル会社同士の合併であり、路線の重複も多かったという特殊な状況でした。キャセイパシフィック航空と中国国際航空の場合は、拠点も異なり、路線構成も大きく異なるため、単純に比較することはできません。
また、JALも経営危機の際にワンワールドからの撤退を検討したことがあるようですが、アライアンスからの脱退には想像以上のコストがかかるため断念したという経緯があります。これは、アライアンス脱退の難しさを示す一例といえるでしょう。
さらに、2010年代にはメキシコのアエロメヒコがスカイチームからスターアライアンスへの移籍を検討したものの、最終的には移籍せずにスカイチームに留まるという事例もありました。
これらの事例から考えると、アライアンスの移籍は経営統合や所有構造の大きな変化がある場合に生じる可能性があるものの、単に資本関係が変わっただけでは必ずしも移籍に至るとは限らないことがわかります。キャセイパシフィック航空の場合も、中国国際航空の影響力が強まったとしても、すぐにアライアンスを移籍するかどうかは、慎重に検討される事項であると考えられます。

キャセイパシフィック航空とワンワールド脱退の影響と対策
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退がJAL利用者に与える具体的な影響
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が香港経由の旅行に与える影響
- ワンワールド上級会員特典への影響はラウンジアクセスに特に大きい
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退によるアジア地域でのネットワーク変化
- キャセイパシフィック航空がスターアライアンスに加盟した場合のメリットとデメリット
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退に備えるべき対策
- まとめ:キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退に関する現状と今後の見通し
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退がJAL利用者に与える具体的な影響
キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退した場合、JAL利用者、特にJGC(JALグローバルクラブ)会員やJMB(JALマイレージバンク)会員には様々な影響が考えられます。
まず第一に、マイル獲得の機会が減少します。現在、JAL利用者はキャセイパシフィック航空に搭乗した際にもJALのマイルを獲得できますが、ワンワールドを脱退するとこの特典は失われる可能性が高いです。特に香港行きや香港経由のアジア各地への旅行が多い方にとっては、マイル獲得機会の大幅な減少につながります。
第二に、特典航空券の利用範囲が狭まります。現在、JALのマイルでキャセイパシフィック航空の特典航空券を予約することができますが、この選択肢がなくなります。キャセイパシフィック航空は日本から香港だけでなく、台北や東南アジア各地への路線も多く持っているため、これらの地域への特典航空券の選択肢が減ることになります。
第三に、コードシェア便の減少が予想されます。JALとキャセイパシフィック航空は多くの路線でコードシェアを行っていますが、アライアンスを離れることでこの協力関係が見直される可能性があります。その結果、便数や接続性の面で選択肢が減る恐れがあります。
第四に、上級会員特典の利用範囲が限定されます。JGC会員やサファイア/エメラルド相当のステータス保持者は、キャセイパシフィック航空利用時の優先チェックイン、追加手荷物許容量、優先搭乗などの特典が失われる可能性があります。
第五に、JALの修行(ステータス獲得のための搭乗活動)に影響が出ます。キャセイパシフィック航空はJALの上級会員資格獲得のためのフライトポイント(FOP)対象となっているため、修行ルートの選択肢が減少することになります。
これらの影響は、特に頻繁に香港や東アジアを訪れるビジネス旅行者や、アジア方面への旅行が多い方にとって大きな変化となるでしょう。
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が香港経由の旅行に与える影響
キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退した場合、香港経由の旅行には特に大きな影響が出ると予想されます。香港は東アジアの重要なハブ空港であり、キャセイパシフィック航空は香港を拠点とする最大の航空会社です。
まず、乗り継ぎの便宜性が低下する可能性があります。現在、JALで日本から香港へ飛び、そこからキャセイパシフィック航空でアジア各地へ移動する場合、同一アライアンス内での乗り継ぎとなるため、手続きがスムーズです。しかし、キャセイがワンワールドを脱退すると、異なるアライアンス間の乗り継ぎとなり、手続きが煩雑になる可能性があります。
次に、乗り継ぎ時の荷物の取り扱いも変わる可能性があります。現在は同一アライアンス内であれば、最終目的地まで荷物を一度に預けることができますが、異なるアライアンスとなると、香港で荷物を一度受け取り、再度チェックインする必要が生じるケースも考えられます。
また、香港国際空港でのラウンジ利用にも影響が出ます。キャセイパシフィック航空のラウンジは、品質の高さで知られており、JALの上級会員やワンワールドサファイア/エメラルド会員が利用できる魅力的な特典の一つです。もしキャセイがワンワールドを脱退すれば、これらのラウンジへのアクセスが失われることになります。
さらに、香港経由で東南アジアやオセアニアなどへ向かう際の選択肢も変わります。現在、JALのマイルを使ってキャセイ便で香港を経由して様々な目的地へ行くことができますが、この選択肢が減ることになります。
ただし、キャセイパシフィック航空自体は引き続き香港をハブとして運航を続けるため、単にJALやワンワールドとの連携がなくなるだけで、路線そのものがなくなるわけではありません。したがって、香港経由での旅行自体は引き続き可能ですが、ワンワールド会員としての特典は享受できなくなる可能性が高いです。
ワンワールド上級会員特典への影響はラウンジアクセスに特に大きい
キャセイパシフィック航空がワンワールドを脱退した場合、最も顕著な影響の一つがラウンジアクセスの変化です。キャセイパシフィック航空は、特に香港国際空港において高品質なラウンジを複数運営しており、これらは多くのワンワールド上級会員にとって重要な特典となっています。
香港国際空港のキャセイラウンジは、ザ・ウイング、ザ・ピア、ザ・ブリッジなど複数あり、それぞれに特徴的な施設やサービスを提供しています。特に「ヌードルバー」と呼ばれる麺類のメニューは人気が高く、多くの旅行者が香港経由の旅行を選ぶ理由の一つにもなっています。キャセイがワンワールドを脱退すれば、JALの上級会員やワンワールドサファイア/エメラルド会員はこれらのラウンジを利用できなくなります。
また、日本の空港でもキャセイパシフィック航空はラウンジを運営しており、成田空港や羽田空港、関西国際空港などでJALの上級会員が利用できる選択肢の一つとなっています。JALのラウンジが混雑している場合でも、キャセイのラウンジを選択できるという利点がありましたが、これも失われる可能性があります。
trico(JALの旅コミュニティ)の投稿によれば、「海外へのフライトでキャセイパシフィックが使えなくなったり、ラウンジが使えなかったりはとても大きなことだと思います」との意見があります。これは多くのJAL上級会員の感覚を代弁しているといえるでしょう。
キャセイラウンジへのアクセスを失うことは、単なる便利さの問題だけではなく、「修行をする方々の目的」という観点からも重要な意味を持っています。多くの人がJALの上級会員資格を目指す目的の一つに、世界各地の質の高いラウンジを利用できることがあるからです。
したがって、キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退は、特にビジネス目的や頻繁に国際線を利用する旅行者にとって、旅の質に直接影響する重要な変化となる可能性があります。
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退によるアジア地域でのネットワーク変化

キャセイパシフィック航空がワンワールドから脱退した場合、アジア地域における航空ネットワークには大きな変化が生じる可能性があります。キャセイパシフィック航空は、アジア・太平洋地域、ヨーロッパ、北米、中東、アフリカの28地域、約80の目的地へ就航しており、特にアジア地域でのネットワークは充実しています。
まず、ワンワールドとしてのアジア地域でのプレゼンスが大幅に縮小します。現在、ワンワールドはアジア地域においてJAL、キャセイパシフィック航空、マレーシア航空、スリランカ航空などが加盟していますが、その中でもキャセイパシフィック航空は香港というハブを活かした幅広いネットワークを持っています。特に中国本土や台湾、東南アジアへの路線網が充実しており、これらの地域へのアクセスにおいてワンワールドの強みとなっています。
この変化は、特に香港を経由して中国本土や東南アジアへ向かうワンワールド会員にとっては、乗り継ぎの選択肢が減少することを意味します。例えば、日本からベトナムやカンボジアなどの東南アジア諸国へ向かう際、現在はJALからキャセイパシフィック航空へのスムーズな乗り継ぎが可能ですが、これが難しくなる可能性があります。
また、香港ーインド、香港ーオーストラリアなどの路線でも、キャセイパシフィック航空はワンワールド内の重要なリンクとなっています。これらの路線が失われることで、ワンワールド会員の旅行プランニングに影響が出るでしょう。
一方で、もしキャセイパシフィック航空がスターアライアンスに加盟するとなれば、スターアライアンスのアジア地域でのネットワークはさらに強化されることになります。すでにシンガポール航空や全日空、タイ航空などの強力なメンバーを抱えるスターアライアンスに、香港をハブとするキャセイパシフィック航空が加われば、アジア地域におけるカバレッジはさらに充実します。
このようなネットワークの変化は、ビジネス旅行者や頻繁にアジア地域を旅行する方々のアライアンス選択にも影響を与える可能性があります。特にアジア地域への旅行が多い方にとっては、自分の旅行パターンに最適なアライアンスを再検討する機会になるかもしれません。
キャセイパシフィック航空がスターアライアンスに加盟した場合のメリットとデメリット
キャセイパシフィック航空がワンワールドを脱退し、スターアライアンスに加盟した場合、様々なメリットとデメリットが考えられます。まずは、その可能性について検討してみましょう。
【メリット】
第一に、スターアライアンスはワンワールドよりも大規模なアライアンスであり、加盟航空会社数や就航都市数で上回っています。キャセイパシフィック航空にとっては、より広範なネットワークへのアクセスが可能になるというメリットがあります。
第二に、中国国際航空との連携強化が期待できます。中国国際航空はスターアライアンスの主要メンバーであり、北京をハブとしています。香港と北京という二つのハブを連携させることで、アジア地域での競争力が強化される可能性があります。
第三に、全日空(ANA)やシンガポール航空など、アジア地域の強力な航空会社との新たな協力関係を構築できます。これにより、アジア域内の接続性がさらに向上する可能性があります。
第四に、SFC(スターアライアンス上級会員)にとっては、香港のキャセイラウンジが利用可能になるという大きなメリットが生まれます。キャセイのラウンジは高い評価を得ており、スターアライアンス会員にとっては魅力的な特典となるでしょう。
【デメリット】
一方で、デメリットも考慮する必要があります。
第一に、アライアンス移行に伴う莫大なコストと労力です。システム統合、マイレージプログラムの調整、マーケティング戦略の再構築など、多岐にわたる変更が必要となります。
第二に、長年築いてきたワンワールドのパートナーとの関係が変わります。特にJALやブリティッシュ・エアウェイズなど、重要なパートナーとの提携関係の見直しが必要になります。
第三に、乗客の混乱や不満が生じる可能性があります。特にワンワールドの常連客が獲得してきたステータスやマイルの扱いについて、移行措置が適切に設けられなければ顧客離れを招く恐れがあります。
第四に、スターアライアンス内での競合が激しくなる可能性があります。特に全日空やシンガポール航空など、アジア地域で強いプレゼンスを持つ航空会社との路線競合が生じる可能性があります。
総合的に見ると、キャセイパシフィック航空のスターアライアンス加盟は、アライアンス間の力関係を大きく変える可能性を秘めていますが、その実現には多くの課題があることも事実です。利用者としては、このような動向を注視しつつ、自分の旅行パターンに最適なアライアンスを選択することが重要になってくるでしょう。
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退に備えるべき対策
キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退が現実となった場合、JAL利用者やワンワールド上級会員はどのように対応すべきでしょうか。いくつかの対策を考えてみましょう。
まず、マイル戦略の見直しが重要です。JALマイレージバンク(JMB)に多くのマイルを保有している場合、キャセイパシフィック航空の特典航空券に使用できる期間は限られる可能性があります。したがって、脱退が確定する前に、キャセイ便や香港経由の特典航空券を検討するのも一つの方法です。特にキャセイの人気路線や、香港経由でしか行きにくい目的地への旅行を計画している場合は、前倒しで検討する価値があるでしょう。
次に、代替となる航空会社やルートの検討です。キャセイが脱退した後も、JALやワンワールド内の他の航空会社を利用してアジア各地へ向かう方法を探しておくことが重要です。例えば、マレーシア航空を利用してクアラルンプール経由で東南アジアへ向かうルートや、JALの直行便が就航している都市を確認しておくといった準備が考えられます。
また、特にアジア地域への旅行が多い方は、別のアライアンスのステータス取得も検討に値します。例えば、ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)やスターアライアンスのステータスを並行して獲得しておけば、キャセイがスターアライアンスに移籍した場合でも柔軟に対応できます。実際、tricoコミュニティでは「もし、キャセイパシフィックがスターアライアンスになったら、私も喜んでメインをそちらへ移籍します」という意見も見られます。
香港でのラウンジアクセスについては、プライオリティパスなどの独立したラウンジ・プログラムへの加入も一つの選択肢です。これにより、キャセイのラウンジは利用できなくなっても、香港国際空港の他のラウンジを利用することが可能になります。
さらに、情報収集を怠らないことも重要です。キャセイパシフィック航空の動向やワンワールドの公式発表、JALからの情報などを定期的にチェックし、変更が発表された場合は速やかに対応できるよう準備しておきましょう。
最後に、移行期間中の特別措置に注目することも大切です。過去の事例では、航空会社がアライアンスを移籍する際、一定期間は両方のアライアンスの特典が利用できる移行措置が設けられることがあります。このような情報をいち早くキャッチし、有効活用することで、変化によるデメリットを最小限に抑えることができるでしょう。

まとめ:キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退に関する現状と今後の見通し
最後に記事のポイントをまとめます。
- キャセイパシフィック航空のワンワールド脱退はあくまで噂であり、現時点では確定情報ではない
- この噂の背景には中国国際航空がキャセイパシフィック航空の株式保有を増加させる交渉を行っているという情報がある
- 中国国際航空はスターアライアンス加盟航空会社であり、筆頭株主になれば同一アライアンスへの移籍を促す可能性がある
- キャセイパシフィック航空はワンワールドの創設メンバーであり、アジア地域における重要な航空会社である
- アライアンスの移籍には莫大なコストと時間がかかるため、仮に脱退するとしても数年先の話になる可能性が高い
- キャセイがワンワールドを脱退した場合、JAL利用者やワンワールド上級会員のマイル獲得機会や特典航空券の選択肢が減少する
- 特に香港国際空港のキャセイラウンジへのアクセスが失われることは大きな影響となる
- キャセイの脱退はワンワールドのアジア地域でのネットワーク弱体化につながる可能性がある
- もしキャセイがスターアライアンスに加盟した場合、よりグローバルなネットワークへのアクセスや中国国際航空との連携強化というメリットがある
- 一方で、アライアンス移行に伴うコストや混乱、既存パートナーとの関係変化というデメリットも存在する
- 利用者としては、マイル戦略の見直しや代替ルートの検討、複数アライアンスのステータス取得などの対策を考えておくべきである
- 現時点では情報収集を怠らず、状況の変化に柔軟に対応できるよう準備しておくことが重要である
- ワンワールドのアライアンスとしての今後の戦略や新規加盟航空会社の動向も注視する必要がある
- キャセイパシフィック航空自体の経営状況や中国本土との関係性の変化も脱退の可能性に影響する要素である