格安航空券の格安航空会社(LCC)ではなく、フルサービスの航空会社である中国東方航空。その魅力的な価格に惹かれて予約したものの、乗り継ぎで失敗するケースが後を絶ちません。特に上海浦東空港での乗り継ぎは、直近30日間の遅延率が70%にも上るという実態があります。
中国東方航空の乗り継ぎは、航空券が安い分、トラブルのリスクも高まります。しかし、事前に対策をしっかり立てておけば、トラブルを最小限に抑えることができます。この記事では、中国東方航空での乗り継ぎの注意点や、遅延時の補償制度、トラブル対策まで詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- 中国東方航空の乗り継ぎにおける遅延リスクと対策方法
- 乗り継ぎ失敗時の補償制度と請求方法
- 上海浦東空港での乗り継ぎに必要な手続きと所要時間
- 荷物の取り扱いとトラブル防止策
中国東方航空での乗り継ぎ失敗を避けるポイント
- 遅延率70%で乗り継ぎ失敗のリスクが高い現状
- 上海浦東空港での最低必要な乗り継ぎ時間は2時間以上
- 遅延時の代替便や宿泊の補償制度を把握しておく
- 航空会社都合の遅延なら1人200〜400元の補償金が支給
- 乗り継ぎ失敗時の荷物受け取りは原則必須
- 上海での乗り継ぎにはトランジットビザ免除制度を利用
遅延率70%で乗り継ぎ失敗のリスクが高い現状
中国東方航空の朝一便における直近30日間の遅延率は驚くべきことに70%に達しています。特に上海浦東空港発の便では、出発で30分の遅れが日常的となっています。
この高い遅延率は、航空管制や空港の混雑が主な原因とされています。特に朝一番の便は、前日からの遅延の影響を受けやすい傾向にあります。
乗り継ぎ便の接続不能は、単なる到着遅延だけでなく、上海浦東空港での入国審査や保安検査の混雑も影響します。実際に1時間の乗り継ぎ時間では、厳しい状況が多く報告されています。
乗り継ぎ便への影響を考えると、予約時点で十分な接続時間を確保することが重要です。特に重要な予定がある場合は、余裕を持った行程を組むことをお勧めします。
実際の体験者からは、1時間程度の接続時間では乗り継ぎ失敗のリスクが非常に高いという報告が多く寄せられています。安全な乗り継ぎのためには、最低でも2時間以上の接続時間を確保することが賢明です。
上海浦東空港での最低必要な乗り継ぎ時間は2時間以上
上海浦東空港での乗り継ぎには、入国審査、荷物の受け取り、保安検査など複数の手続きが必要となります。これらの手続きには予想以上に時間がかかることがあります。
特に入国審査では、指紋登録や入国カードの記入が必要で、混雑時には1時間程度待たされることもあります。また、ターミナル間の移動が必要な場合は、さらに時間を要します。
保安検査も厳格で、すべての手荷物をチェックされるため、相応の時間がかかります。急いでいることを伝えても、検査自体を省略することはできません。
これらの手続きにかかる時間を考慮すると、安全な乗り継ぎには最低でも2時間以上の時間が必要です。特に重要な予定がある場合は、3時間以上の余裕を持つことをお勧めします。
乗り継ぎ時間が短い場合、航空会社に事前相談することで、優先的な手続きが可能になることもあります。ただし、これは確実な保証ではないことに注意が必要です。
遅延時の代替便や宿泊の補償制度を把握しておく
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中国東方航空では、航空会社の都合による遅延の場合、代替便の手配や宿泊施設の提供などの補償制度が整備されています。具体的には以下のような対応が実施されます。
遅延が確定した場合、航空会社は最短の代替便を無料で手配します。ただし、空席状況によっては希望の便に搭乗できない可能性もあります。その場合、翌日以降の便に振り替えられることがあります。
宿泊が必要となった場合、航空会社指定のホテルが無料で提供されます。食事についても、状況に応じて提供される場合があります。ただし、これらのサービスは航空会社都合の遅延の場合に限られます。
天候など航空会社の管理外の要因による遅延の場合、宿泊費用は基本的に自己負担となります。ただし、航空会社がホテルの手配をサポートしてくれる場合もあります。
乗り継ぎ失敗時には、必ずスタッフに状況を説明し、対応を確認することが重要です。その際、提示された解決策について、具体的な内容を確認し、必要に応じて書面での確認を求めることをお勧めします。
補償を受けるためには、航空会社から提供される証明書や領収書などの書類を必ず保管しておく必要があります。これらは後日の補償請求時に必要となります。
航空会社都合の遅延なら1人200〜400元の補償金が支給
航空会社の整備や運航上の都合による遅延の場合、中国東方航空では遅延時間に応じた金銭補償が定められています。4時間以上8時間未満の遅延で200元、8時間以上の遅延で400元が支給されます。
この補償金は、航空券の予約状況や搭乗クラスに関係なく、一律で支給されます。ただし、天候や管制など、航空会社の管理外の要因による遅延の場合は、補償の対象外となります。
補償金の請求は、遅延発生時にその場で行うことが推奨されます。後日の請求も可能ですが、必要書類や手続きが複雑になる可能性があります。
手続きには、搭乗券や遅延証明書などの書類が必要となります。これらの書類は必ず保管しておくことが重要です。紛失すると、後日の補償請求が困難になる可能性があります。
補償金の支給方法は、現金または電子マネーでの支払いが一般的です。ただし、状況によっては、航空会社のマイレージポイントでの補償となる場合もあります。
乗り継ぎ失敗時の荷物受け取りは原則必須
上海浦東空港での乗り継ぎの場合、基本的に一度荷物を受け取る必要があります。これは中国の入国規制によるもので、例外は非常に限られています。
荷物の受け取り後は、再度チェックインカウンターで預け直す必要があります。この際、新たな搭乗券の発行も必要となるため、余分な時間がかかることを想定しておく必要があります。
急いでいる場合でも、荷物の受け取りは省略できません。スタッフに状況を説明し、可能な限り迅速な対応を依頼することは可能ですが、手続き自体は必須となります。
荷物の紛失や破損のリスクを考慮すると、貴重品や必需品は手荷物として持ち運ぶことをお勧めします。特に、乗り継ぎ失敗時に必要となる着替えや洗面用具は、手荷物に入れておくと安心です。
荷物の取り扱いについては、事前に航空会社に確認することをお勧めします。特別な配慮が必要な荷物がある場合は、その旨を伝えておくことで、適切な対応を受けられる可能性があります。
上海での乗り継ぎにはトランジットビザ免除制度を利用
中国の乗り継ぎでは、24時間以内の滞在であれば、トランジットビザ免除制度を利用できます。この制度を利用することで、事前のビザ取得が不要となり、手続きが簡略化されます。
ただし、この免除制度の利用には条件があります。第三国への渡航であることが条件で、例えば日本から中国を経由して日本に戻る場合は対象外となります。
免除制度を利用する場合でも、入国カードの記入は必要です。通常の入国カードではなく、専用の一時入国カードを使用する必要があるので注意が必要です。
免除制度を利用する場合は、航空券の予約時に、乗り継ぎ時間が24時間以内になるよう注意して予約する必要があります。時間を超過すると、正規のビザが必要となります。
トランジットビザ免除制度については、渡航前に最新の情報を確認することをお勧めします。制度の運用は予告なく変更される可能性があるためです。
中国東方航空の乗り継ぎで知っておくべき重要事項
- チェックインは出発2.5時間前から開始で45分前が締切
- 乗り継ぎには入国審査と保安検査が必須
- 荷物のスルーチェックインは基本的に非対応
- 遅延時の代替便は空席状況次第で振替可能
- LCC並みの格安運賃でフルサービスが受けられる理由
- トラブル時の補償請求は7日以内が期限
- まとめ:中国東方航空での乗り継ぎ失敗を防ぐための準備と心構え
チェックインは出発2.5時間前から開始で45分前が締切
中国東方航空では、国際線のチェックインは出発予定時刻の2時間30分前から開始されます。チェックインの締切時間は出発45分前となっています。
空港での手続きを円滑に進めるためには、搭乗券の確認、手荷物の検査、旅客の有効な身分証明書および航空券による搭乗券の取得手続きを時間までに終える必要があります。
チェックインカウンターに現れなかった旅客や、有効な身分証明書や渡航書類を提出しなかった旅客の確定座席は、フライトの出発遅延を避けるためにキャンセルされる可能性があります。
チェックインは、航空会社の公式ウェブサイト、モバイル版ウェブサイト、モバイルアプリ、またはホットラインを通じて行うことができます。オンラインチェックインの場合でも、必要な情報や有効な身分証明書の提示は必須となります。
早めのチェックインは、トラブル発生時の対応にも余裕が生まれるため、特に乗り継ぎがある場合は重要となります。
乗り継ぎには入国審査と保安検査が必須
上海浦東空港での乗り継ぎでは、入国審査の手前に乗り継ぎビザ免除の申請カウンターがあり、まずそこでの手続きが必要となります。通常の入国カードではなく、「ARRIVAL CARD FOR TEMPORARY ENTRY FOREIGNERS」と書かれた専用カードを使用します。
入境手続きは非常に混雑することが多く、係員も少ないため時間がかかる傾向にあります。申請カウンターでは、eチケットの控えをプリントアウトしたものとパスポートの提出が求められます。
手続き方法は空港によって若干異なり、例えば北京大興空港では整理券方式、昆明長水空港では整列方式を採用しています。北京大興空港では申請者が多く、順番待ちで30分程度かかることもあります。
保安検査は非常に厳格で、係員の指示に従わない場合は搭乗を拒否される可能性もあります。検査では、パスポートや搭乗券の確認に加え、手荷物の詳細なチェックが行われます。
手続きの遅延を避けるため、必要書類は事前に準備し、すぐに取り出せる状態にしておくことが推奨されます。
荷物のスルーチェックインは基本的に非対応
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中国東方航空では、一般的に乗り継ぎ時の荷物のスルーチェックインは対応していません。そのため、乗り継ぎの際は一度荷物を受け取り、再度チェックインする必要があります。
預けた荷物の受け取りには手荷物預り証が必要となります。荷物の紛失や損傷があった場合は、7日以内に航空会社に申し出る必要があります。
重要な書類や貴重品、壊れやすい物品は機内持込手荷物として携行することをお勧めします。受託手荷物の場合、航空会社の賠償責任は限定的となります。
手荷物の重量制限は、受託手荷物が32kg未満、機内持込手荷物が10kg未満となっています。サイズも規定があり、これを超える場合は事前に航空会社の同意が必要です。
荷物の価額申告は1kgあたり20米ドルを超える場合に可能で、申告限度額は2,500米ドルとなっています。
遅延時の代替便は空席状況次第で振替可能
航空会社の都合による遅延で乗り継ぎができなくなった場合、中国東方航空は代替便への振り替えを行います。ただし、これは空席状況に応じて対応が変わってきます。
振替便の手配は、出発地、寄航地または目的地にある中国東方航空旅客販売代理店、または目的地で対応が可能です。ただし、代替便の空席状況によっては、希望の便に搭乗できない可能性もあります。
天候や緊急事態など、航空会社に帰責しない事由による遅延の場合、食事や宿泊サービスの費用は旅客負担となります。ただし、航空会社はサービス提供先への連絡や手配を支援します。
代替便の手配が困難な場合、航空会社は会社の都合による払戻しの規定に従って対応します。この場合、未使用区間の運賃および税金が払い戻されます。
トラブル発生時は、できるだけ早く航空会社のスタッフに状況を説明し、対応を求めることが重要です。
LCC並みの格安運賃でフルサービスが受けられる理由
中国東方航空は、LCCではなくフルサービスの航空会社であり、23キロの預け荷物を2個まで無料で受け付け、8キロまでの手荷物1個も無料で持ち込み可能です。さらに、機内食も提供されます。
航空券の価格設定は区間によって大きく異なり、例えば上海経由便を選択することで、直行便と比べて大幅に安い料金で渡航が可能となります。これは、経由便という特性を活かした価格戦略の一環です。
機内サービスは、フライト時間や搭乗クラスによって異なりますが、基本的に飲み物やスナック類は無料で提供されます。ただし、特別なリクエストについては追加料金が発生する場合があります。
座席の指定については、同一搭乗クラス内での希望に応じるよう努めていますが、特定の座席の確約はできません。また、運航上の理由で座席が変更される可能性もあります。
格安な価格設定にもかかわらず、安全性や快適性に関する基準は他の主要航空会社と同等に維持されています。
トラブル時の補償請求は7日以内が期限
手荷物の破損、紛失、損傷または延着が発生した場合、補償請求は手荷物受取から7日以内(損傷または紛失の場合)、または21日以内(延着の場合)に行う必要があります。
航空会社に対する損害賠償請求の時効は、目的地到着日、到着予定日または運送終了日から2年以内となっています。この期限を過ぎると、法的な請求権が失効します。
補償請求には、航空券や手荷物預り証の提示が必要です。手荷物の価額申告をしている場合は、申告額の範囲内で補償されますが、実際の価額を超える補償は行われません。
非居住者の受託手荷物が同一便で到着しなかった場合、日用品の一時的な購入費用が補償されます。具体的な補償額は航空会社の規定に従って決定されます。
補償請求の手続きは、出発地、経由地、目的地のいずれでも可能です。ただし、必要書類や手続きの詳細は場所によって異なる場合があります。
まとめ:中国東方航空での乗り継ぎ失敗を防ぐための準備と心構え
最後に記事のポイントをまとめます。
- 上海浦東空港での朝一便は遅延率70%で、30分程度の遅れが一般的
- 安全な乗り継ぎには最低2時間以上の接続時間確保が必要
- チェックインは出発2.5時間前から開始、45分前が締切
- 乗り継ぎには入国審査と保安検査が必須で、時間に余裕を持つ必要あり
- 荷物は基本的にスルーチェックインに非対応で、受け取りと再預けが必要
- 遅延補償は4-8時間で200元、8時間以上で400元を支給
- 24時間以内の乗り継ぎならトランジットビザ免除制度が利用可能
- 手荷物の補償請求は受取から7日以内が期限
- 遅延時の代替便は空席状況により振替可能だが、希望便に搭乗できない場合も
- 重要書類や貴重品は必ず機内持込手荷物として携行する
- 天候や管制など航空会社都合外の遅延は補償対象外
- トラブル発生時は早めにスタッフへ相談し、必要書類は必ず保管する